最古の巨大恐竜を新発見、進化や超大陸の新説浮上 中国

メアリー・ホルトン科学記者、BBCニュース

Illustration of a dinosaur with a long tail, green markings and a long snout Image copyright Zhang Zongda
Image caption リンウーロン・シェンキのイラスト。この名は「霊武(リンウー)の驚くべき竜」という意味

新たに発見された恐竜が、中国の地史を塗り替えるかもしれない。

首の長い大型恐竜、竜脚下目に新たに加えられた「リンウーロン・シェンキ」は、1億7400万年前に中国北部に生息していた。

この時期、東アジアはすでに超大陸パンゲアから分裂していたと考えられている。しかしリンウーロンの存在が、この定説を覆す証拠になるかもしれない。

研究は7月24日付けの学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表された。

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リンウーロンはブロントサウルス、ディプロドクス、ブラキオサウルスなどが属する新竜脚類に分類されるが、本来ここに分類されるべきではない。なぜなら、中国北部に他の新竜脚類が現れる1500万年前に出現しているからだ。

この研究を発表した英インペリアル・コレッジ・ロンドンのフィリップ・マニオン博士は、今回の発見は「二重に驚くものだった」と話した。

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Image caption リンウーロン・シェンキの骨を測定する調査員たち

マニオン博士はBBCニュースに対し、「これは(新竜脚類で)最古の恐竜と言うだけでなく、アジアで初の発見。長い間、新竜脚類はジュラ紀の間はアジアに拡大していなかったと思われていた」と説明した。

超大陸パンゲアはジュラ紀に分裂を始めていた。巨大な紅海のような海が出現して現在の中国とパンゲアの残りの部分を分け、動物の行き来を阻んでいた。

マニオン博士によると、「今回の発見は新竜脚類がこうした障壁ができる前にアジアに入り込んだことを示唆しているが、障壁があったのはごく短期間ではないかという地理的な証拠もある」という。

新竜脚類は現在、北米や欧州、アフリカとなったパンゲアの広範囲に生息していたが、1億6000万年前以前の化石は見つかっていなかった。

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Image caption リンウーロン・シェンキの骨格図。白い部分が今回発掘された。

リンウーロンは、新竜脚類で最古の恐竜となった。さらに、この種族の恐竜がこれまで考えられていたよりはるかに進化していたことが判明した。多様化が始まったのはジュラ紀中期と思われていたが、少なくとも初期へと繰り上げられた。

小惑星の衝突で絶滅した「失敗作」だという主張とは裏腹に、恐竜は何百万年にもわたって進化と適応を成功させてきた。火山の大規模噴火によるいくつかの大量絶滅を乗り越え、生き延びてきた。

リンウーロンの発見はこうした見方をさらに裏付ける証拠だと、アルゼンチン・サンフアン大学の古生物学者セシリア・アパルデッティ博士は語る。

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Image caption リンウーロン・シェンキは、中国ニンシヤホイ族自治区霊武で発見され、その名が付けられた

アパルデッティ博士はBBCの取材に対し、「竜脚下目に新たに加わったリンウーロンと、パタゴニアで発見された竜脚下目の祖先と考えられるインゲンティアは、恐竜が進化の初期段階から体の構造を革新させる類まれな能力を持っていたことを示している」と話した。

「この能力によって恐竜は何百万年もの間、地球上のあらゆる生態系を支配し数を増やした。この「解剖学的多能性」が恐竜の進化の鍵の一つとして、恐竜を地球上の生命体の中で最も成功した脊椎動物の一種にした」

(英語記事 China fossil tells new supercontinent story

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