「こんまり」流の片づけ術、チャリティーショップにも波及効果

ベッキー・モートン記者、BBCニュース

Author and series host Marie Kondo poses before taking part in Netflix"s "Tidying Up With Marie Kondo" screening and conversation at 92nd Street Y on January 08, 2019 in New York City. Image copyright Getty Images
Image caption 「人生がときめく片づけの魔法」の著者で、アメリカのネットフリックスで新番組「KonMari~人生がときめく片づけの魔法~」がスタートしたばかりの近藤麻理恵さん

「普段なら、不用品の寄付が増えるのは1月なんだけど、今年は信じられない状況になっている」と驚きを隠せないのは、英ロンドン北部でチャリティーショップ「スー・ライダーズ」の支店をきりもりするオヤ・アルトゥンバシュさんだ。

アルトゥンバシュさんのお店に持ち込まれる寄付の量は、今年に入ってから例年の2倍にまで膨れ上がり、1日あたり大きな袋30個分が集まるという。アメリカの動画配信サービス、ネットフリックスで始まった片づけ番組を参考にした大勢の人たちが、自宅を片づけて寄付しているのだという。

番組とは、「人生がときめく片づけの魔法」の著者で、日本のテレビにも出演していた片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん(通称こんまり)の新番組。そこで近藤さんが提案する「こんまり」メソッドは、自分が持っている1つ1つの物について「ときめくかどうか」を考え、ときめかない物は全部捨てるという片づけ術だ。家の中が整理されるだけでなく、頭まですっきりするという。

日本の片づけ名人の著書は、米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに掲載され、アメリカでの「こんまり」メソッド人気に火がついた。そして、1月にネットフリックスの新番組が始まるや否や、今度はイギリスで「こんまり」旋風が巻き起こっている。

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イギリス各地のチャリティーショップで、同じような現象が広がっている。エイジUKやバーナードス、英心臓病財団などの慈善団体が運営するチャリティーショップでも、「こんまり」番組の開始以来、寄付が増加している。

そもそも毎年1月には、不要なクリスマスプレゼントを処分する人たちが多くなりがちだ。そのため、今回のような寄付増加の要因を1つに限定するのは難しい。

しかし、近藤さんの片づけメソッドも、要因の1つと言えそうだ。

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Image caption ネットフリックスの新番組「KonMari~人生がときめく片づけの魔法~」でアドバイスする近藤さん

障害者チャリティーショップ「スコープ」を運営するマリア・ヴィセンシオさんは、寄付に訪れる人たちの中で、近藤さんの番組を見て影響を受けた人を見分ける方法を教えてくれた。ポイントは、近藤さんの「特徴的な畳み方」だ。

「最近、きれいに整った状態の洋服が寄付されます。きちんと折り畳まれている状態で」とヴィセンシオさんは話す。

「あの番組にのめり込んでいる友人や利用者は非常に多い」のだという。

ヴィセンシオさんのショップには今月、大量の寄付が寄せられた。慈善事業全体から見ると、過去6週間でこの店に寄付された量は、前年より5%も増えている。

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Image caption 近藤さんの「特徴的な畳み方」を見極められるようになったと話すマリア・ヴィセンシオさん

キリスト教慈善団体「救世軍」のタムワース支店を運営するキャレン・バートラムさんも、このトレンドの影響を実感している。

「以前は、1週間に3つしか寄付されなかったけど、ここ数週間、1日に6つも寄付があるの」と話す。

バートラムさんの店には、新たな利用者も足を運んでいる。中には、番組を見て母親の家中を片づけたという男性も。

片づけで不要と判断された物が寄付されているわけだが、質が低いというわけではないという。

実際にバートラムさんの店に持ち込まれた物の中には、プラダのトップスとアレキサンダー・マックイーンの靴も含まれていた。

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Image caption 最近バートラムさんの店に寄付されたプラダのトップスとアレキサンダー・マックイーンの靴

ほんの数週間前に近藤さんのことを知ったという英モーカム在住のアナ・スラウィンスカさん(35)は、さっそく服や使わないものをゴミ袋3つに詰め込み、近くのチャリティーショップに寄付するつもりだ。

「買いすぎてしまうことが多いので、寄付するのはいい状態の物ばかりです。私にとってはもう『ときめく(spark joy)』するものではなくなってしまったけど、別の誰かが気に入ってくれると嬉しい」

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Image caption スラウィンスカさんも近藤さんの「特徴な畳み方」を実践した

スラウィンスカさんは、近藤さんの片づけ哲学が慈善事業への寄付増加を促していると話す。

「常に散かっていることに苦労し、何を処分すればいいのかも分からない私にとって、近藤さんの教えはとても啓発的だった。『ときめく』というアイデアが、もう要らないものを手放す後押しになった」

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Image caption 服やDVD、本を寄付したジョージさん、近藤さんの番組から刺激を受けたという

サミー・ジョージさん(27)もまた、番組を見た1人だ。「こんまり」メソッドに刺激され、袋3つ分を寄付したという。

「私はとても感傷的なタイプだと思う」と自分を分析するジョージさんだが、両親や彼氏からは「物を溜め込むタイプ」だと言われるという。

「何年も保管している物や、安くなっていたから買ったけど一度しか使っていない物が詰まっている箱が、沢山ある」

そこで、「こんまり」メソッドで片付けることにしたジョージさんは、持っている物をベッドの上に広げて「ひとつひとつ『これがなくなったらいやかどうか』」を自問した。

ジョージさんは、チャリティーショップは愛着のない物を持ち込むのに、ちょうどいいと話す。

「寄付すれば良いことのための資金源になるし、物はごみため行きにならずに済むので」

(英語記事 Marie Kondo 'sparks joy' for charity shops

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