【解説】 次のイギリス首相は誰 立候補者の顔ぶれ

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テリーザ・メイ英首相が6月7日に与党・保守党の党首を辞任することが決まり、党内では続々と党首選への出馬表明が出ている。

与党党首が首相となるため、次期党首は自動的に首相に就任する。

すでに立候補した議員11人のほか、出馬が有力視されている議員を紹介する。

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<立候補済みの議員>

マイケル・ゴーヴ環境相

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元ジャーナリストのゴーヴ氏は、2005年に初当選。デイヴィッド・キャメロン前首相の側近だったが、2016年の国民投票では欧州連合(EU)離脱派キャンペーンに身を投じた。

しかし、キャメロン氏辞任後の党首選では離脱派の中心的存在だったボリス・ジョンソン前外相を批判し、自ら立候補した。

メイ政権では環境相としてメイ氏のブレグジット(イギリスのEU離脱)協定を支持し続け、ブレグジット強硬派とは距離を置いていた。

ゴーヴ氏は自身を、「党をまとめられる候補」としてアピールしていくもようだ。

出馬に当たって: 「保守党をひとつにまとめ、ブレグジットを実現し、この素晴らしい国を主導することが、自分にはできると思う」(5月26日、自宅前にて)

マット・ハンコック保健相

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イングランド銀行のエコノミストだったハンコック氏は、もともと文化相だったが、ジョンソン前外相の辞任に伴いジェレミー・ハント氏が外相となった際、後任として保健相となった。

2016年の国民投票では残留派だったが、現在はEU離脱派だとみられている。

また、メイ首相が先に発表した離脱協定法案にも賛成し、議員に支持を呼びかけていた。

ウェストミンスター(英政界)きってのテクノロジーに精通した1人を自認し、議員として初めて、自らのスマートフォンアプリを作った人物でもある。

出馬に当たって: 「私たちには、その場しのぎではなく、未来のためのリーダーが必要だ」(5月25日、BBCのラジオ番組にて)

ジェレミー・ハント外相

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ハント氏は文化相として2012年のロンドン五輪に携わった後、保健相を6年務め、ジョンソン氏の辞任に伴い外相となった。

2016年の国民投票では残留派だったが、現在はEU離脱派。EUを旧ソヴィエト連邦に例えたことで批判を浴びたこともある。

出馬に当たって: 「メイ氏は国民投票の結果実現に情熱を注いでいたが、その責任は今後、別の人が担うことになる」(5月24日、地元紙ファーナム・ヘラルドの取材に答えて)

ボリス・ジョンソン前外相

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前ロンドン市長のジョンソン氏はずっと前から、首相の座を求めてきた。出馬を表明した際には「もちろん、立候補する」と話していた。

2016年国民投票ではEU離脱派のリーダーだったジョンソン氏は昨年、メイ首相の離脱協定に反発して外相を辞任。その後はメイ政権とその政策を、誰よりも批判していた。

保守党内では支持者の多いジョンソン氏だが、議会ではそうではない。ジョンソン氏はまず、保守党員が投票する決選投票まで進めるよう、保守党下院議員たちを説得しなくてはならない。

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2016年夏の党首選にも出馬していたが、ゴーヴ環境相が自分を批判して立候補した後に辞退している。

出馬に当たって: 「新党首は今までとは違う方法で政策を進める機会を得る。新政権は勢いづくだろう」(5月24日、スイスでの会議で)

アンドレア・レッドソム前下院院内総務

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EU離脱派の中心的存在でもあるレッドソム氏は、メイ首相が離脱協定法案への支持を訴えていた最終局面で、下院院内総務を辞任した。

辞任の際には、政府のブレグジットへの対応を信じられなくなったと話していた。

2016年の党首選ではメイ首相と争ったが、メイ氏に子供がいないことに言及し、大きな批判を浴びて出馬を取り下げた

その後、環境相としてメイ政権に入閣し、後に閣僚級の院内総務となった。

出馬に当たって: 「交渉で成功するには、退席して破談にする覚悟も必要だ」(5月26日、英紙サンデー・タイムズの取材に答えて)

エスター・マクヴェイ前雇用・年金相

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元アナウンサーのマクヴェイ議員はEU離脱派。昨年11月にメイ首相の離脱協定に反発して雇用・年金相を辞任した。

ラジオ番組「トーク・レイディオ」の電話取材で出馬の意向を聞かれたマクヴェイ氏は、「常々、保守党内で十分な支持を得られれば出馬したいと明確にしていたが、今回、新たに私を指示してくれる人たちができ、私はその支持を得た」と語った。

出馬に当たって: 「私も含め、誰が次の首相になるにしろ、10月31日というブレグジット期日は絶対だ」(5月24日、ラジオ番組の電話取材にて)

ドミニク・ラーブ前EU離脱相

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元弁護士のラーブ氏は、2016年の国民投票の前からEUからの離脱を訴えており、2010年の初当選時から首相就任への野心も表明していた。

2018年7月に前任のデイヴィッド・デイヴィス氏が辞任した後にEU離脱相となり、EUとの離脱交渉を担当したが、11月にはメイ首相の離脱協定を支持できないとして辞任した

出馬に当たって: 「より公正なブレグジット協定、イギリスの労働者によってより公正な協定、そして全ての子供たちがその可能性を花開かせられるような公正な社会のために戦う」(5月26日、メール日曜版にて)

ローリー・スチュワート国際開発相

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スチュワート氏は5月、ギャヴィン・ウィリアムソン氏の更迭に伴う人事で国際開発相となった。それ以前は法相の下で刑務所担当次官を務めていた。

一時はEU残留派だったものの、現在はブレグジットを受け入れているという。一方、「イギリスを一致させるため、残留派にも手を差し伸べたい」と述べている。

出馬に当たって: 「語るのではなく、行動で示そうと思う」(5月25日、BBCのテレビ番組「Breakfast」にて)

サジド・ジャヴィド内相

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ジャヴィド氏は、両親がパキスタン出身の移民2世。父はバスの運転手で、1ポンドを握り締めてイギリスにやってきたという。ジャヴィド氏は政界に入る前はドイツ銀行に勤務していた。

2010年に初当選し、キャメロン政権のジョージ・オズボーン元財務相の側近で、ビジネス担相、文化相、コミュニティ・地方自治相などを歴任した。

2016年国民投票では残留派だったが、「決して熱心ではない」と発言するなど、欧州懐疑派となっている。

サム・ジーマー前高等教育機関・研究・科学・イノベーション担当閣外相

2018年11月まで高等教育機関・研究・科学・イノベーション担当閣外相を務めていたジーマー氏は、ブレグジット協定に反対して辞職した。

メイ首相のブレグジット協定を「名ばかりの協定」と批判し、2度目の国民投票案を支持。実現した際には自身は残留に投票すると述べている。

マーク・ハーパー前下院院内幹事長

2010~2015年には内務次官と雇用・年金担当次官を務めた。

2016年の国民投票では残留を支持したが、現在は協定に基づく離脱を推進しており、イギリスにとって「良い協定」を得るにはさらなる期限延長も必要になるとしている。

<出馬が予想されている議員>

サー・グレアム・ブレイディー

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1997年に初当選。2010年以来、党首不信任動議など一般議員による党内手続きを扱う、「1922年委員会」の委員長を務めたが、メイ氏辞任発表を受けて委員長を辞任し、出馬を検討していると明らかにした。

ペニー・モーダント国防相

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ギャヴィン・ウィリアムソン氏の更迭により今年5月、イギリス初の女性国防相となった。

海軍予備役としての経験もあり、キャメロン政権では国防省の軍担当閣外相も務めた。

2016年国民投票では離脱運動を推進し、その後の党首選でも離脱派のレッドソム氏を支持した。

プリティ・パテル元国際開発相

2010年5月に初当選。財務省や労働・年金省の閣外相を経て国際開発相になるも、2017年11月には、政府に無断でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らと会談していたことの責任を取って辞任した。

ブレグジット強硬派として、党内右派の支持を得ている。

リズ・トラス財務首席政務次官

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ブレグジット派の右派。2016年に女性初の大法官と司法相となったものの、高等法院の首席判事など法曹界幹部と衝突を重ね、翌年6月の内閣改造で現職に移った。

キャメロン政権では環境相を務め、2014年党大会で「この国はチーズの3分の2を輸入している。なんて、みっとも、ない」と発言したことが、ソーシャルメディアなどで大きな話題となった。

スティーヴ・ベイカー元EU担当閣外相

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ブレグジット強硬派。2010年初当選で、保守党の離脱推進派議員が構成する「欧州調査グループ(ERG)の副会長。

デイヴィス・ブレグジット担当相(当時)と同時に閣外相を辞任し、メイ政権のブレグジット方針を批判した。

党首選のプロセスは?

保守党党首選の立候補締切日は6月10日。

各立候補者は2人の推薦人を必要とする。立候補者が3人以上の場合、まずは保守党議員によってこれを2人にまで絞る投票が行われる。

保守党のブランドン・ルイス幹事長は、6月末までに立候補者を2人に絞りたいと話している。

その後、イギリス全土の保守党党員による郵便投票が行われ、夏の議会開会までに結果が発表される見込みだ。

(英語記事 Tory leadership contenders - who's standing?

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