地球温暖化が一目で分かる「気候ストライプ」 英教授が作成

ジョナサン・エイモス、BBC科学担当編集委員

これが地球温暖化がどういうものかを示す一番簡単な方法だろうか? このチャートは全世界の国・地域の気温を年代別に表したものだが、その傾向は見間違えようがない。

Image caption 横の列が国を示し、各マスは各国のその年の平均気温を表している。各国は地域別にアルファベット順で上から並んでいる

この表では、それぞれの列のマスが、各国のその年の平均気温を表している。青いマスは涼しかった年、赤いのは暑かった年だ。左側が1900年で、右へ行くほど現在に近くなる。

これによると、地球全体が過去100年余りで暖かくなっており、特にここ数十年でその傾向が強くなっている。

この「気候ストライプ」は、英レディング大学のエド・ホーキンス教授が作成したものだ。気候変動の問題をより明確に伝え、解決策を導く会話のきっかけをつくろうと考案した。

ホーキンス教授は、大規模な気象学関連の機関が毎年1月に、各地の気候状態について年次報告を出すことに着想を得た。それらの機関のデータを活用するさまざまな方法を模索し、現在のストライプのアイデアにたどり着いた。

英ウェールズで毎年開かれる文学祭ヘイ・フェスティバルでこのストライプを横断幕にして公開したところ、参加者たちの心に訴えると感じた。

ホーキンス氏は現在、「#ShowYourStripes(あなたのストライプを見せて)」というサイトを立ち上げ、誰でも国や一部都市の気候ストライプをダウンロードし使用できるようにした。このストライプのほとんどは、バークリー・アースのデータから作られている。

ウェブサイトからダウンロードしたストライプは、これまでにネクタイやセーター、レギンスなどの衣服に使われた。米ミネソタ州では、テスラの電気自動車(EV)をこのストライプの模様に塗り替える人も現れた。

ホーキンス教授はBBCの取材に対し、「メッセージを伝えるのに数字は要らないということを学んだ。代わりに色がやってくれる」と話した。

「人々とコミュニケーションを取り、さまざまな集団にアクセスするためのやり方を探すのが大事だ。皆が(気候変動を)理解しているわけではないし、中には科学者が気候変動と言うや否や、聞くのをやめる人もいるかもしれない。これはそういう人たちに届けるやり方のひとつだ」

科学に関心のある人なら、この表には他のデータ表示方法では見逃してしまうような興味深い点があることに気づくだろう。

世界の各地域は一斉に温暖化しているわけではない。欧州がもっとも分かりやすいが、理由も分かりやすい。それぞれの大陸にはそれぞれの気候変動要因があり、全体の気候システムに影響を及ぼしたり影響されたりしている。

例えば1940年代前半を見てみると、欧州には他の地域に比べて非常に濃い青色の線が出ている。

これは大規模なエル・ニーニョ現象と関係がある可能性が高いことが、研究によって分かっている。太平洋の貿易風が弱まり、欧州以外が暖まる一方、欧州は冷え込む。

そしてこれが、第2次世界大戦の結果にも影響を与えたともいわれている。当時の欧州を襲った厳寒によって、アドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツ軍はソヴィエト連邦(当時)侵攻に苦労した。

(英語記事 Stripes strike chord on global warming

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