ジョンソン前英外相、「合意なしブレグジットにもEUの協力必要」 BBC独占インタビュー

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ジョンソン前外相、EU離脱計画を説明 独占インタビュー

イギリスの与党・保守党党首選に立候補しているボリス・ジョンソン前外相は24日、欧州連合(EU)と合意なしにEUを離脱する場合でも、アイルランド国境の管理や関税を避けるため、EUの協力が必要だと述べた。

BBCの独占インタビューでジョンソン氏は、「これは私たちだけの問題ではない」と語った。

一方で、合意なしブレグジット(イギリスのEU離脱)をすることも辞さないと話す半面、そうなるとは「一瞬たりとも思ったことはない」と述べた。

週末から話題となっていた恋人の自宅で激しく口論したため隣人が警察を呼んだ出来事については、議論に「愛する人」を巻き込むのは「単純に不公平だ」と述べた。

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イギリスは3月29日にEUを離脱する予定だったが、議会が離脱協定を3度にわたり否決したため、EUは離脱期限を10月31日まで延長した。

この日のローラ・クンスバーグ政治編集長による単独インタビューでジョンソン氏は、テリーザ・メイ首相がEUと取りまとめた離脱協定は「死んでいる」と話した。

また、イギリスと欧州の政治状況は当時とは変わったことから、離脱の期限である10月末までにEUと協定を再交渉できると指摘。

「3月29日と比べて政治情勢は大きく変わったと思う」、「イギリスも欧州も、(離脱に向けて)何が必要かと言う理解が変わったのではないか」と話した。

離脱協定で焦点となっていたアイルランドと英・北アイルランドの国境問題についても、EUを説き伏せて解決策を見いだせるとしている。

EU幹部は繰り返し協定の再交渉はできないと警告しているが、ジョンソン氏は「大量の、本当にたくさんの技術的解決策」を行えば国境管理を避けられると述べた。

クンスバーグ編集長がこうした解決策はまだ存在しないと指摘すると、ジョンソン氏は「実はもうある。非常に大きな基準でも存在するし、信頼できる取引業者を選ぶ計画もある。実施可能なありとあらゆる計画がある」と話した。

一方で、この問題を解決する「ただひとつの特効薬」はないと認めた。

自由貿易協定と市民の権利

ジョンソン氏は、次期首相に選ばれた暁にはただちに自由貿易協定(FTA)についての議論を始めると述べた。

また、ブレグジット後に貿易協定が決まるまでは、EUが現状を維持する期間を認めてくれることを望んでいると話した。

ジョンソン氏はこの期間を「履行期間」と表現したが、これはメイ首相の離脱協定で定められたブレグジット後の移行期間とは別物だとしている。

また、在英EU市民の権利保障についてもできるだけ早く法律を可決させたいと話した。

さらに、5月に行われた欧州議会選挙でイギリスからブレグジット党所属の議員が多数選出されたことにも言及。EUは欧州議会にブレグジット党員を置いておきたくない一方、EU離脱のための清算金390億ポンドは欲しいと願っていることから、再交渉が可能なのではないかと示唆した。

「妥当な理由」

英紙ガーディアンは21日、ジョンソン氏が交際相手のキャリー・サイモンズ氏の自宅で激しく口論したため隣人が警察を呼んだと報じた。

サイモンズ氏の自宅の隣人は21日未明、隣の家から「ものを叩く音やバタンという音」のほか、サイモンズ氏がジョンソン氏に「触らないで」、「出て行って」と言う声を聞き、警察に通報。ジョンソン氏は22日に出席した会議で司会者から何度もこの件について質問されたが、回答を拒否したため批判を浴びている。

クンスバーグ編集長がこの件について質問すると、ジョンソン氏はここでも詳細を話すつもりはないと述べた。

「家族や愛する人に関することは話したくない。これには妥当な理由がある。もし話せば、彼らを巻き込むことになるし、それは本当に(中略)不公平だ」

ジョンソン氏は代わりに、国民が知りたがっているのは「この男に何が起きてるのか」とうことだと話した。

「信頼できるか、性格はどうか、有言実行の男なのか、そういうことだ」

ジョンソン氏をめぐっては保守党内にも不信感が広がっているが、ジョンソン氏は自分の性格に疑問を持つ人たちは「でたらめなことを言っている」と一蹴した。

また、対立候補のジェレミー・ハント外相からテレビでの公開討論を避けて「卑怯者」になっているとの批判を受けていることについても回答を拒否した。

その上で、中道「こそ選挙戦勝利の道だ」と話し、首相に選ばれたら「中道右派の立場から政治を行う」と述べた。

ジョンソン氏は2週間後に民放ITVで予定されている討論には参加するとしている。しかしスカイニュースは、25日に予定していた討論にはジョンソン氏が参加せず、番組をキャンセルするとしている。

<分析>「もしも」と「ただし」だらけの計画 ――ローラ・クンスバーグ政治編集長

非常に議論を呼んでいるジョンソン氏の賭けでは、10月末までにEU幹部と新たな通商協定を再交渉できるらしい。

さらに、最も議論が分かれている難問、アイルランド国境をめぐるジレンマについても、離脱日までに解決できると語った。

ジョンソン氏は明らかに、自分にはその能力があると信じている。本人も支持者も、それが計画だと言うだろう。

しかしそれは、「もしも」と「ただし」だらけの計画だ。

ハロウィーンまでにEU幹部と議会がジョンソン氏のビジョンを支持するというのは、その見通しが英雄的であれ無鉄砲であれ、かなりタイトなスケジュールだ。

政治的圧力は高まっている。ただ早く終わらせろというだけではなく、世界の国々との関係やイギリス国民の生活を傷つけずに行えという圧力だ。

また私生活の問題については、首相官邸に手が届きそうな今ですら、答えなくてもいい質問があるとジョンソン氏が思っていることは明らかだ。

だが多くの人がジョンソン氏の性格に不信感を抱いている中、同氏がもっと情報を提供するまでこうした質問は付いて回るだろう。

(英語記事 Johnson defends Brexit plan and 'row' silence

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