「服を洗わないで」 ステラ・マッカートニーさんの主張は正しいのか

アシタ・ナゲシュ、BBCニュース

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Image caption ステラ・マッカートニー氏は長い間、洗濯機の使用を避けるよう呼びかけている

「経験から言えば、基本的には、特に洗う必要のないものは洗わなくていい」

人気ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーさんは7日、英日曜紙オブザーバーに掲載されたインタビューでこのように述べた。これは、マッカートニーさんがロンドンのサヴィル・ロウの仕立て専門店で働いていたときに気づいたことだという。そこで得た「ルール」は、「汚れは乾かしてブラシで落とす」だった。

インタビュー最後のさりげない一言だったかもしれないが、読者はこの発言に注目した。その多くが、毎週何度も洗濯をしている人々だった。

では、マッカートニーさんの発言は的を射ているのだろうか? 服は洗わない方がいい?

合成繊維が環境を壊す

マッカートニーさんが服を洗わないようにと勧めるのは、これが初めてではない。実際、マッカートニーさんはずっと前から、洗濯機を使わないよう呼びかけている。衣服の寿命のためでもあるが、環境への影響を懸念してのことでもある。

環境保護団体プラスチック・スープ基金のラウラ・ディアス・サンチェスさんもマッカートニーさんに賛成する。特にポリエステルやアクリルといった合成素材を多く使っている大量生産の服ほど、環境への影響が大きいという。

「服を洗濯するたび、平均9億個ものマイクロファイバー(合成繊維)が外に流れ出す」と、ディアスさんはBBCに説明した。

「服の作られ方や洗い方も関係しているが、洗濯すればするほどたくさんのマイクロファイバーが流出する」

ディアスさんによると、洗濯する時は水温を低く設定し、液体洗剤を使うのが良いという。

「粉状の洗剤は(洗濯中に)服同士の摩擦を増やし、より多くの繊維が流れ出てしまう。一般的には摩擦が少ないほど繊維の流出も少なくなる」

また、同じ理由から、一度に洗う服の量は少ない方が良いと指摘した。

服の手入れという技

問題は合成繊維だけではない。服を頻繁に洗いすぎるとその寿命が著しく縮まり、すぐに捨てて新しいものを買わなくてはならない。

英ウェストミンスター大学でファッションデザインコースのチーフを務めるアンドリュー・グローヴス教授は、洗濯機は摩擦を使ってしみを取るが、同時に衣服の形や色を歪めてしまうと説明する。

「私のたんすには何十年も着ているのに新品のような服がある。手入れの仕方を知っているからだ」

これは、普段着でも高級な服でも同じだという。服は丁寧に手入れすればするほど長持ちするし、環境的にも持続可能なファッションとなる。

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Image caption たとえば、下着を洗濯機で洗うと形がゆがみ、生地にもダメージがある

これは特に、下着類に当てはまる。マッカートニーさんはオブザーバー紙に対して、「毎日ブラジャーを換えていない」と話した。下着デザイナーのナオミ・デ・ハーンさんもマッカートニーさんと同意見だ。

デ・ハーンさんのブランド「エッジ・オビヨンド(Edge O'Beyond)」では、ブラジャーは5回使ったら、赤ちゃん用シャンプーなどを使ってぬるま湯で手洗いするようアドバイスしている。

「エッジ・オビヨンド」は高級志向だが、デ・ハーンさんはBBCニュースに対し、このアドバイスは大量生産の下着にも当てはまると話した。ただ、スポーツ用下着はより頻繁に洗うべきだという。

「洗濯機はレースやシルクといった素材を壊してしまう可能性がある。また、(ブラジャーの)ワイヤーが飛び出してしまったり、色あせてしまったり、カップが入っているタイプなら形が変わってしまうことになる」

それでも洗濯機で洗わなくてはならない場合は「ホックを止めた状態で、からまらないよう注意し、下着用の袋に入れ、熱すぎない温度で洗い、干したり平置きする際には形を整える」ことが大事だという。

だが最も重要なのは、絶対に、絶対に乾燥機に入れないことだという。

ジーンズはそのまま

イギリスの環境保護慈善団体「Wrap」が主催する「Love Your Clothes(服を愛そう)」キャンペーンのサラ・クレイトンさんは、ジーンズは洗わず、履いたら干して風を通す方がいいと話す。

「しみがついた場合は、ジーンズ全体を洗うより水でしみの部分だけ洗うといい」

ジーンズを洗わないままにするのは非衛生的に思えるかもしれない。しかし、この案を熱烈に支持する事情通がいる。リーヴァイスのチップ・バーグ最高経営責任者(CEO)だ。

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Image caption リーヴァイスのチップ・バーグCEOはジーンズを洗わない

2014年にバーグさんが、そのとき着ていたジーンズは1度も洗ったことがないと誇らしげに宣言した時、人々はちょっと嫌な顔をした。

それから5年後の今年3月、バーグさんはCNNの取材で再び、まだこのジーンズを洗っていないと話した。実に約10年間、このジーンズは洗われていないことになる。

グローヴス教授はバーグさんに賛成する。ジーンズについては洗濯する代わりに冷凍庫で凍らせることを推奨しているが、この有名な方法には科学的な根拠がない。

「私の知り合いの大半はデニムをまったく洗わない。毎日履くジーンズだから不思議に見えるかもしれない。洗わないのは、色あせを気にしているからだ」

ジーンズだけでなく、他の服も同じように扱って欲しいとグローヴス教授は呼びかけている。

(英語記事 Should we stop washing our clothes?

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