【解説】 新首相は急いでいる ジョンソン英政権発足

ローラ・クンスバーグ、BBC政治編集長

Boris Johnson Image copyright Getty Images

新しい首相は急いでいる。新内閣の顔ぶれは、首相が急いでいるからこその人選だ。

この首相は、自分に与えられた時間はそう多くないと自覚している。

この首相は、前任者が数年かけてもできなかったことを数カ月以内にやってのけなくてはならない。

ボリス・ジョンソン新首相の周りに集められた顔ぶれの目的はただひとつ。欧州連合(EU)を速やかに離脱するという公約を、新首相が実現できるように補佐することだ。新内閣はそのためだけに集められた。

首相官邸は、明確な目的に強い意志で突き進む姿勢を形にした布陣だと自負している。新政権は、方向を見失い失意のうちに終わったここ数年に区切りをつけて、決断する用意があるし、断固としてそのつもりだと示す考えだ。

ブレグジット(イギリスのEU離脱)の意義を信じる人たちが、内閣の要職に就いた。とは言うものの、純粋に最強に熱烈な欧州懐疑派のみの内閣というわけでもない。

閣議のテーブルに着いたほとんどは、テリーザ・メイ前首相が結局のところ議会の支持をとりつけられなかった、失敗に終わったEU離脱協定を支持していた。なので、欧州との一切の妥協を拒否して徹底抗戦した顔ぶれではない。むしろ、新内閣のほとんどはEUを一切拒否するというよりは、現実的な実務家だ。中には、EU残留派を代表する論客だった人たちもいる。

もしかするとこれは、政府が明確に右方向へ一歩進んだことを示す、そういう顔ぶれなのかもしれない。もしかすると近いうちに、これまでとは違う種類の選挙に臨むこともあり得るチームに、結果的になったのかもしれない。意図せずして。

しかし、かなりの大刷新であることは間違いない。それは疑わない方がいい。保守党幹部の1人は、閣僚の総入れ替えはまるでゆがんだ乗っ取り劇のようだと話した。別の幹部は新内閣を「ロッキー・ホラー・ショー」と呼んだ。

この内閣は、やるべきことを最優先するための決定の集合体だ。新首相を疑う人たちの気を休めるためのものではない。

しかし、このやり方はいかにも典型的なジョンソン流だ。大急ぎで取りまとめられたもので、毛嫌いするのは簡単だが、それでも実に大胆で明確な意思表示で、とても無視などできない。

(英語記事 Boris Johnson: A prime minister in a hurry

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