英議会とジョンソン首相の対決  今後どうなる?

Pro EU campaigners demonstrate outside the House of Commons on September 3, 2019 in London, England. Image copyright Getty Images

イギリス政治にとって3日は大きな日だった。

政府は大きな敗北を喫した。ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)に大きな影響が出る可能性がある。ブレグジットをいつ、どのような形で実現させるのか、政府の狙いどおりには進めにくくなった。

総選挙の前倒しも浮上している。

議会とボリス・ジョンソン首相の対決は今後、どうなるのか。

「合意なし離脱」を立法で防ぐ

ブレグジットは10月31日が期限となっている。

ジョンソン氏はこの日までに、何としてもブレグジットを実現させる構えだ。たとえEUとの間で離脱協定に合意できなくても、イギリスはEUを出るのだと主張している。

ところが3日、「合意なしブレグジット」に反対する議員たちが、下院の主導権を握った。投票の結果、4日に野党提出の法案を審議することが決まった。

法案は、下院が新たな離脱協定案を承認しない限り、ジョンソン氏にブレグジットの期限を1月31日まで延ばすよう強いる内容だ。議員たちはそれを通そうとしている。

順調に進めば、法案は来週、法律として成立する。

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総選挙めぐり駆け引き

ただしジョンソン氏は、EUに期限延期を求めるつもりはない。その代わり、政府として総選挙の実施を求める考えだ。

3日の下院で、野党側提出の法案審議が決まった後も、来月に総選挙を実施するよう求める準備があると述べた。10月14日や15日の投開票を念頭に置いていると取りざたされている。

ジョンソン氏は、総選挙によって、保守党が下院で過半数を大きく上回ることを想定している。そうなれば、自らのブレグジット計画は推し進めやすくなる。世論調査では、保守党が最大野党の労働党を大きくリードしている。

だが、政情が不安定なときに総選挙をすれば、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首が率いる、強硬左派の政権を誕生させてしまうという懸念が、保守派には広がっている。

首相に奇策?

一部の政治評論家たちの間には、ジョンソン氏は本心では早期の総選挙は望んでいない、という見方もある。

そもそも、総選挙の前倒しには下院議員の3分の2の同意が必要だ。首相がそれを取りつけられるかは不透明だ。労働党は以前から総選挙を求めているが、コービン氏は、合意なしブレグジットを排除する法律の成立を前提条件としている。

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コービン労働党党首、「まずは法案通過」 ジョンソン首相に圧力

ジョンソン氏がとりあえず総選挙を提案し、実施の合意を取り付けた後、あとから投票日を10月31日以降に変更するのではないかと心配する声も、議員たちから上がっている。

その場合、ジョンソン氏は何はともあれ自分がブレグジットを実現させたのだと、有権者に胸を張ることができる。

(英語記事 Brexit: What just happened?

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