ファラオのミイラがパレード、新博物館へ移動 エジプト

ワエル・フセイン、BBCニュース(カイロ)

Egypt parade

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古代エジプトのファラオのミイラは、「ファラオの黄金パレード」と題されたイベントで新しい博物館に移送された

エジプトの首都カイロで3日、古代のファラオ(王)のミイラが歴史的なパレードを行った。

移送されたのは、18人の王と4人の女王のミイラ。数百万ドルをかけた「ファラオの黄金パレード」と題されたイベントで、ピンク色にライトアップされたエジプト考古学博物館から、5キロ離れた新しい展示場所へと移された。

王族の遺体で、現在は国宝でもあるミイラたちが厳しい警備に守られながら向かった先は、新たに建設されたエジプト文明博物館だ。

ファンファーレが鳴り響く中、紀元前16世紀、古代エジプト第17王朝のセケンエンラー・タア2世から、紀元前12世紀、第20王朝のラムセス9世まで時代順に行進した。

エジプトでは1年前、新型コロナウイルスが一気に広まったものの、感染者や死者数が減ってきたことから、現在では屋外集会の制限が緩和されている。

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この行進の目玉の一つは、エジプト新王国時代で最も有名なラムセス2世だ

この行進の目玉の一つは、エジプト新王国時代で最も有名なラムセス2世だ。ラムセス2世の在位期間は67年間と長く、記録されている中で最古の和平協定を結んだことで知られている。

ほかにも、「最も高貴なる女性」という名を持つハトシェプスト女王のミイラも行進に加わった。

ミイラは一体ずつ特別な衝撃吸収材で保護され、装飾が施された車両に乗せられ、レプリカの馬車を含む警備車両に警護されながら「新居」への道を進んだ。

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ミイラは元々、古代の技術で保存されているが、今回の移動に際してはさらに外部環境から守るため、窒素を充填した箱に入れられた。また、行進する道も舗装し直されたという。

カイロ・アメリカン大学のサリマ・イクラム教授(エジプト学)は、「エジプト観光省と考古省は、ミイラが確実に安定した状態で保護され、内部の空気が制御された環境下で置かれるよう最善を尽くしていた」と説明した。

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今回、新しい博物館に移動したミイラは、1881~1898年に上エジプトのテーベ(現ルクソール)の遺跡から発見されたもの。

イクラム教授によると、「これらのミイラはカイロに移送される前にも、盗掘者から逃れるため、もともとの墓からテーベへと何度も移動させられてきた」という。

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アメンホテプ2世のミイラを乗せた専用車両

エジプト当局は、4月に全面オープンとなるエジプト文明博物館によって、主要な外貨獲得手段の観光業が復活するよう期待している。

エジプトの観光業は過去10年間にわたり政治不安で苦境に陥っており、最近ではパンデミックでも打撃を受けた。

移送されたファラオたちのミイラは、4月18日から「ミイラの間」で展示される。

「ミイラの間」は最新技術を使い、訪問客はルクソールの「王家の谷」にいるような体験ができるという。

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