【解説】 アフガニスタンのIS系組織「IS-K」とは?

フランク・ガードナー、BBC安全保障担当編集委員

Wedding hall in Kabul after the blast. Photo: 2019

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IS-Kは、ここ数年で最も残虐な事件で非難されている。写真は2019年に爆発攻撃を受けた結婚式場

「IS-K」は、アフガニスタンとパキスタンで活動する過激派勢力「イスラム国(IS)」系の組織だ。正式名称は「イスラム国ホラサン州(ISKP)」という。

アフガニスタンで最も過激で暴力的な、ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)武装集団と言われている。

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IS-Kは、イラクとシリアでISの勢力が頂点に達した2015年1月に設立された。ISが一方的に樹立を宣言した「カリフ制国家」はその後、イラクとシリアでアメリカ主導の連合軍に敗れ、解体された。

一方のIS-Kは、アフガニスタンとパキスタンのジハーディストを勧誘している。特にアフガニスタンでは、タリバンが穏健すぎる、過激さが足りないからと離脱した元戦闘員を引き付けている。

「過激」とはどれくらい過激なのか

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IS-Kはアフガニスタン東部ナンガルハール州が拠点。パキスタンとの麻薬密輸や密入国ルートに近い

ここ数年で特に残虐ないくつかの事件を実行したのが、IS-Kだとされている。女子校や病院、さらには産婦人科病棟を標的にし、妊婦や看護師を射殺したと言われている。

タリバンの関心がアフガニスタンに限定されているのに対し、IS-Kは国際的なISネットワークの一部として、西側諸国や国際社会、人道援助団体などを標的としている。

IS-Kの拠点は?

IS-Kはアフガニスタン東部ナンガルハール州が拠点。パキスタンとの麻薬密輸や密入国ルートに近い。

最盛期の戦闘員は約3000人。アメリカ駐留部隊やアフガニスタン政府軍、そしてタリバンとの戦闘で、大きな被害を受けている。

タリバンとのつながりは?

IS-Kとタリバンは、「ハッカーニ・ネットワーク」という第三者を通じてつながっている。

首都カブールの警備を現在担うのは、ハッカーニ・ネットワークのハリル・ハッカニ氏。アメリカはハッカニ氏に500万ドル(約5億5000万円)の賞金をかけている。

アフガニスタンの武装組織ネットワークを長年調査しているアジア太平洋財団のサッジャン・ゴヘル博士は、「2019~2021年に発生した攻撃のいくつかは、IS-Kとタリバンのハッカーニ・ネットワーク、そしてパキスタンのテロ組織が関わっていた」と話す。

タリバンはカブールを掌握した8月15日、プレチャルキ刑務所から多数の受刑者を解放したが、そこにはISやアルカイダの戦闘員も含まれていたという。

しかしIS-Kは、タリバンがジハードや戦闘を放棄し、ドーハの「きらびやかなホテル」で和平合意に応じたと非難している。

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【解説】 トランプ米政権とタリバンが交わした撤退合意 現状への影響は

タリバン政権にとって今後、ISは大きな安全保障上の障害となる。タリバンと西側の情報機関に共通する課題だ。