密猟でアフリカのゾウ激減 あちらにもこちらにも死体
密猟でアフリカのゾウ激減 あちらにもこちらにも死体
アフリカ全土の上空からゾウを数える初の試みで、ゾウの数が激減していることが確認された。上空から見下ろすと、ゾウの死体があちこちに点在しているのが分かるという。
マイクロソフト社の共同創業者ポール・アレン氏が700万ドルを出資した調査事業「グレート・エレファント・センサス」の担当者たちは、2年間かけてアフリカ18カ国の上空を50万キロにわたり飛び続けて地上のゾウを数えた。
「2007年以来、アフリカは14万4000頭のゾウを失った。原因は主に、象牙目当ての密猟だ。毎年3万頭近いゾウが死んでいる」と調査を主導したNGO「国境なきゾウ」のマイク・チェイス博士は言う。この減少ペースでいくと、今後9年間で残るアフリカゾウ推定35万頭は半減するおそれがあるという。
アジアの象牙需要に応えるための密猟が最も深刻なタンザニア、モザンビーク、アンゴラでゾウが激減する一方、危険を察してかボツワナに「避難」するゾウの数が、環境に負担をかけるほど増えている。
ボツワナには現在、アフリカ大陸のゾウの4割以上が集中している。しかしアフリカ特派員のアラスター・リースヘッド記者は、今やボツワナも密猟者に狙われていると報告する。