自分たち若者の未来が盗まれた……気候変動対策を訴える16歳

自分たち若者の未来が盗まれた……気候変動対策を訴える16歳

気候変動への取り組みを訴えるため、昨年8月からスウェーデンの国会前で座り込みを続けて話題になったグレタ・トゥーンベリさんは、16歳にして国連やスイス・ダヴォスで開かれる世界経済フォーラム年次総会、欧州議会などで発言し、ローマ法王に謁見するなど、地球温暖化対策を求める世界的運動の「顔」となった。

トゥーンベリさんは22日、気候変動の危機を訴える抗議運動「絶滅への反逆(Extinction Rebellion)」が主要道路を封鎖するなどの抗議行動が続くロンドンを訪れ、英下院で議員たちを前に、イギリスの対応は「お話にならない」と厳しく批判した。

トゥーンベリさんは下院議員たちに、「小数の人が想像を絶するほどの金儲けができるようにするため」自分たち若者の未来が「盗まれた」と言い、「皆さんは、何もなかったかのように普段通り毎日を過ごせればそれでよくて、そうさせてくれる答えにしか関心がない。だから科学の言うことを聞かないんです」と述べた。

これに対して、マイケル・ゴーヴ環境相は、自分たちの対応は「まったく不十分だ」と認めると共に、「ここ数年の間に、何があっても行動しなくてはならないと、それは逃げようがないのだとはっきりした」、「今こそ行動すべきだ。グレタさん、あなたの言葉は受け止めましたよ」と答えた。

トゥーンベリさんは2015年を最後に飛行機に乗るのをやめたという。今回はロンドンまで2日かけて電車で渡英した。

BBCのインタビューに応じたトゥーンベリさんは、自分がアスペルガー症候群と診断されていることについても触れ、そのおかげで助かっていると話した。

「おかげで周りの人とは違っているし、違っているおかげで恵まれていると思います。それに、おかげで常識とは違うものの見方ができます」

「うそにあっさりだまされたりしません。何が本当か見抜けるので。私が周りのみんなと一緒だったら、たとえば登校ストライキを始めたりしなかった」

地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると発表したドナルド・トランプ米大統領と会う機会があったら何を言うかという質問には、「まったく新しいことは何も言えないと思う。明らかに、あの人は科学に耳を傾けていないし、私たちの言うことも聞いていない。なので、あの人の考えを変えることはできないと思います」と答えた。